ちょうど匠が階段を上ってきた。
片手にお茶2リットルを2本。
片手で2リットル2本てやばくない!?
てか四人でそんなに飲まないでしょ!!
その前にコップはどうした、コップは。
「はぁ、いってぇ…………」
匠はお茶を机の上に置き、手を眺めながら私の隣に座った。
「コップ割った」
と、言いながら人差し指を見せてきた。
血がじんわりと出てる。
「痛くないの?」
「お前よ、体の一部切っといて痛くねぇことはないだろ」
いや、そんくらいなら痛くないかと…………。
「匠、コップは?」
幸喜先輩がお茶の
キャップを開け急かすように
手を出してきた。

