私は、すかさず手を合わせ『お願いです…お母さんを連れて行かないで…』と何度も何度も目を閉じたまま願いを伝えた…
 
何度も何度も…
 
その内に呼び声が聞こえなくなり静まり返った病室になった
 
目をそっと開けると白い物も居ない
 
直ぐに母の息を確認する私…
 
良かった…生きている…
涙が自然と溢れ出た
 
そして、もう一度手を合わせ『ありがとう…』と伝えたのである