「今日も仕事あるかもって思って早めに戻るとはしてたんだけど戻った時にはもういなくて。

帰ったのかなとも思ったんだけど一応来てみたんだ。

そしたらやっぱりいた。」



はぁ、と今度は溜め息をつかれた。


どうやら迷惑をかけてしまったようだ。



「あまりにも汚かったから昨日だけじゃ終わらなくて。

私が勝手にやったことだから、志木君は帰っていいよ。」



これ以上迷惑をかけてはいけない。


と思って言ったのにも関わらず、志木君は既に先程崩れた資料をしっかりと年号順に並べ始めていた。


私の言ったこと伝わらなかったのかな。


そう思いもう一度言ってみようとしたが志木君の言葉に遮られた。



「じゃあ俺も勝手にやってるだけ。」


「…週番だからって言わないの?」


「そうすると潮目は謝るだろ?」



その通りだった。

でも…



「ありがとうも、言う。」


「そっか。」



あぁ、志木君は本当に優し過ぎる。


だけど私はその優しさにも惹かれたんだ。


嬉しいと思う私は単純なのだろうか?