それを見送ると私も東棟の資料室に向かった。


辿り着くとそこは使われなかったようで、昨日の片付けの途中のままだった。


良かった、いじられてなくて。


今日は一時間程あれば終わるだろう。


一冊のファイルを手に持った時だった。


ガラッとドアが開く音がして先生が来たのかも、と振り返ってみるとそこには志木君が立っていた。



「うわっ!!」



びっくりして一歩足を引いたら重ねておいてあった資料ファイルが崩れてしまった。


それと共に私もこけてしまう。


あとは上から順に並べればOKだったものが床に散らばった。



「悪い、驚かせたな…。」



すまなさそうな顔で私の腕を掴み立たせてくれた。



「平気…

それよりも志木君はどうしてこんな所にいるの?

帰ったんじゃなかったの?」



私が教室を出た時には目にしなかった。



「掃除から帰ってきてなかったんだ。」



と言うと少しだけ怒った顔になった。



「まったく、仕事する時は呼べって言っただろ!」



こつんっと私の額にグーの手を当てた。