「あの、後ろの棚の整理、手伝ってもらってもいいかな?」



朝早く来てくれたから眠いかな。


やっぱり一人でやった方がいいかも…


そんな心配も無意味に。



「当たり前じゃん。

何の為にここにいると思ってるんだよ!」



嫌がる素振りも見せずにありがたい返事を頂けた。



「じゃあ、あっちの本をきれいに並べてもらえる?

順番はどんな風でもいいから。」


「了解!」



志木君とは逆の方へ散らばった本を私は取りに行った。


それを志木君のところに持っていく。



「ありがとう」



笑顔を直視することができずに目をそらして窓の外を見るとちらちらと生徒が登校してきていた。


本当言うと朝の仕事は簡単だから、私も志木君もこんなに早く来なくてよかったのだ。


いつもより早い時間に目を覚まし、二度寝をしようとしたが失敗して、特にやることもないから志木君が来た時にはもうここにいただけで。


花瓶だって適当に見つけた仕事。


いつも通りの時間に来ていたらやらなかっただろう。


でもラッキーだったかもしれない。