そのおかげだろうか竜太は頭がいい。

学年でも、5本の指に入るくらいで、俺は本当に尊敬していると…同時少し憎かった。

そんなことを思いながら、俺は窓の外の空を眺めた。

――――――――――

今日、最後のチャイムがなる。

「ゆき、帰ろー」

竜太はサブバックを肩にさげていた。

「おぉ。あ、ちょっと待って..。職員室寄ってくる」

進路調査の紙をまだ出していなかった僕は職員室の担任の所へ行った。
まだ進路なんて決めてなかった。
適当に書いた進路だったからすっかり忘れていた

「失礼します。」

「吉野は医学部か。いいんぢゃないか?」

「はい、失礼します。」

本当は、こから離れたとこならどこでもよかったし、適当に目がついたのが医学部だった。

竜太は昔から先生になるのが夢だ。
だから教育に進むらしい。

ののは音楽関係に進むって言ってた。
まだ高校2年生だ。こんなご時世だからだろうか、みんな決めるのがはやい。

自分のペースなんて通らない世界だ。俺はそう思った。


教室には竜太とののがいる。

「ごめん、待たせて」

いつも3人で帰る。