――――1945年2月19日。



米軍、硫黄島上陸。



日本の二万三千に対して米軍は十一万という、圧倒的な戦力の差の中、小笠原諸島の南端近くに位置する硫黄島で、激戦が繰り広げられた。



米軍攻略部隊の損害実数が、日本軍を上回った稀有な戦いである。



終戦後、沖縄戦とともに第二次世界大戦屈指の最激戦地のひとつとして、知られるようになる。



――――1945年3月10日。



東京大空襲。



東京が受けた106回の空襲のうち、最も大規模であったといわれるのがこの日だ。



東京は一面、焼け野原と化した。



アメリカ軍の目的は、 一般市民の木造家屋が密集する下町を、そこにある町工場もろとも焼き払うことだった。



警戒警報が一度解除されると、その油断をついての空襲だった。



死傷者は10万とも言われ、街は黒焦げになった死体で溢れかえった。



――――1945年4月1日。



米軍、沖縄上陸。



ついに敵が、日本へ乗り込んできたのである。