「え?」
「あ。」
――――“バサバサバサ”
解けた風呂敷から、次々に飛び出す資料たち。
ヒラヒラと舞って、床へと散らばる。
「…すまない。」
「いえ、私こそ…。」
強情な女って思われた…かな。
ついムキになってしまって、はしたないよね。
2人で、床に散らばった紙たちを広い集める。
なんだか気まずくなってしまって、うまい言葉が出てこない。
「これで全部か。」
「はい、すみませんでした。」
「謝るな。俺が悪かった。すまない。」
「いえ。私の方こそすみま…っ!?」
私が再び謝罪の言葉を口にしようとすると、硬い拳が私の額にコツンと、それを阻止した。
彼は私の目を見つめ、
「だからもう、謝らなくていい。」
と、少し怒ったような表情で言った。