シンクロニシティー



 はぁ……っと。
 露骨に深く溜息を吐き出して、

「明日は必ず持ってきてくれる? あなた一人のせいで、私の仕事がいつまでたっても終わらない」

 嫌味でも何でもなく、ストレートな苦情を躊躇うことなく口にした。


 こうまではっきり言われると、ある意味、気持ちがいい――かもしれない。


「うん。わかった、ゴメンね」

 謝りながら苦笑して、心の中だけで『どうしてあなたにそこまで言われなきゃなんないの?』と不満を呟く。


「そっ」

 言いたいことだけ言ったらどうでも良くなったのか、彼女は面倒臭そうに短く返して自分の席に戻って行った。