シンクロニシティー



 見上げれば、クラス委員の雪枝さんが、私の机の横に立っていた。
 冷たい無表情で見下ろされて、ちょっとだけ不愉快。


 いつもツンとすましているように映るのは、彼女が美人だからだろうか。

 クラスメートの誰とも親しくせず、一人でいることが多い彼女は、私が言うのもなんだけど、孤立しているように見えた。



「数Ⅱのノート、昨日提出だったんだけど。あとあなただけよ、出してないの」

 必要以上に冷ややかな口調だけれど、多分怒ってはいない。


「あ。ゴメン、忘れた」

 てっきり私は、提出日に休んだら免除されるもんだと……
 甘かった。