「シュウ、寝ぼけてる?」
心配な気持ちは自分でも計り知れないほど巨大なのに。
私の口から出て来たのは、そんなオトボケた疑問。
でもシュウは寝ぼけて私にキスしようとした前科持ちだ。
仕方ないでしょう?
「起きてるよ」
何でもないことのように答え、けれど照れくさそうに頬を緩めた。
シュウも照れている?
その……い、今の……キ、キスに……?
思考までもがどもるって、一体全体どういうことなの?
まったくもう。
変だ可笑しい、笑えるウケる、ほんとバカみたいだ。
「じゃ、じゃあなんで? どうして?」
無我夢中で問いただす。
自然と私の手は、シュウの両肩をガシと掴んでいた。



