シンクロニシティー



 島は、思っていたよりもずっと大きかった。

 波打ち際に立って眺めると、青々と生い茂った背の高い木々で鬱蒼とした森林が、どこまでも続いているような気がした。


 浜から一番近い木の枝に浮き輪を引っ掛け、木漏れ日が眩い無数の筋を落としているその中へと迷わず進んだ。

 一歩踏み入れれば、たちまち視界は陰る。
 そして、ひやりとして涼しいとすら感じた。


「コト! 迷子になって出られなくなったらどうすんの?」

 背後からそんな、叫び声が飛んでくる。
 立ち止まって振り返れば、シュウが酷く不安げな面持ちで私の後を追っていた。