濡れた髪をバスタオルでゴシゴシとやりながら、シュウが戻って来た。
私と色違いのスエットを着ていて。
『お揃いだ』なんて思ったりして、まるで子どもみたいに気持ちが弾む。
「明日、どっか行く?」
シュウがソファーにポスンと腰を沈め、隣の私に視線を寄越して言った。
「どっか?」
言っている意味が良くわからなくて聞き返せば、
「うん、どっか」
とシュウは繰り返して笑う。
濡れた前髪の割れ目から覗く二つのブラウンの瞳が、しっとりと潤んで優しい光を放っている。
綺麗だ。
そして、ゾクゾクしてしまう程の色気がある。
どうしてシュウは、女を惹きつけて止まない容姿で生まれてきてしまったんだろう。
――罪作りな存在。
けれどすぐ、『きっと男も惹きつけて止まないのだろうな』と勝手に納得する。



