シンクロニシティー



 貸してもらったスエットを着て、リビングのソファーに両膝を抱えて腰掛け、シュウがつけっ放しにしていったテレビのバラエティー番組をなんとなく眺めていた。

 頭の中には何も入ってこない。
 今の私は、全ての外部情報を一切受け付けようとはしない。


 ただ、シュウがお風呂から出て来るのが待ち遠しい。
 ほんの少し離れただけでも、恋しくて、切なくて。



 もう既に私は自覚していた。


 シュウが好きだ。

 わたしはシュウに――
 叶わぬ恋をしてしまった。


 叶わないとわかっているから、余計に恋い焦がれるのかも知れない。
 シュウが同性愛者であるという事実は、逆に私に安心感を与える。


 報われない恋心は、私のすさんだ心に妙にしっくりと馴染むのだ。