シンクロニシティー



「女の子用の下着はないよ」

 などと冗談ぽく言いながら、シュウはスエットを貸してくれた。

「当たり前じゃん。
 持ってたら逆に引くし」

 冗談で返したら、自然と笑みがこぼれた。


「あ」

 思わず漏れ出てしまったような声が私の鼓膜をツンと刺激する。

 反射的にシュウを見上げれば、美麗な顔の中の深いブラウンの瞳は、惜しげもなく私に注がれていた。


 そんなに見詰められたら、ジリジリと焦げて穴が開いてしまうんじゃないか。
 酷く馬鹿馬鹿しい発想であるのに、本気で心配している自分がいて。

 それがまた可笑しくて、尚更頬が緩む。


「笑うと可愛い」

 シュウは、サラリとそんなことを言って、何故か嬉しそうに微笑んだ。