シンクロニシティー

「秀也はずっと苦しんでた。誰かの役に立ちたくて、でも役に立てない自分に苛立って。そんなのは自己満足だって、あの子自身、気付いていて。だから余計に苦しんで。

私はそんなあの子を、ただ、傍で見ていることしかできなかった。何もしてあげられなかった。

こんなことになった直後は、正直あなたを憎いと思った。私の大切な秀也を返してよって。

きっと、全部をあなたのせいにして、そんな罪悪感から自分だけ逃れようとしたのね。あなたは――琴子ちゃんは、目を逸らさずに現実を真っ直ぐ見詰めていたのに、私ったら……。

でも今は――

――やっと、楽になれたのかなぁって、そんな風に思うの」



胸の奥で破裂したみたいに激情が一気に迫り上げて溢れ出た。でも病院だから大声は禁物、なんて。そんな冷静な自分も、どうしてだかどこかに居て、必死に声を殺して泣きじゃくった。

隣の彼女がそんな私をふわりと抱いた。そして、ぎゅうと静かな圧に包まれる。