「大嫌い。みんな大嫌い」
スカートを両手でぎゅっと握り締めて泣きじゃくった。
「わかってる。お前の本当の気持ちは、ちゃんとわかってる。みんなわかってるから、もう泣くな。秀也が心配するだろ?」
言いながら、父が運転席からこちらに手を伸ばす。そして、厚みのある大きなその手に私の右手が包まれた。
その温かさに、心地よさに安心してしまって。
振り払うことなんか出来なかった。
車は国道を抜け、入り組んだ生活道路に入る。
閑静な住宅街の中、ニョキリと聳え立つ13階建て。そこがシュウの住んでいるマンションだ。



