シンクロニシティー

「彼女とは何もない。父さんはただ、あの子に会いたくて……。あの子に会うために彼女の店に通った。お前も何度か連れてったことあるんだぞ、覚えてるか?」


「『あの子』って……シュウのこと?」


父はチラと私に視線をやるもすぐ正面に向き直り、そして、ゆっくり頷いた。



「やっぱりシュウは、お父さんの子なの? 私とシュウは、腹違いの兄妹なの?」


残酷な事実が自分の口からポロリとこぼれ出た。途端、激情が迫り上げて来て視界が滲む。

父は辛そうに目を細め、そしてまたコクリ、首を小さく縦に振った。



「だったら……だったら、やっぱ浮気してんじゃん! 浮気しなきゃ子どもなんか出来ないじゃん!」


「彼女が秀也を身籠ったのは、父さんと母さんが出会う前の話だ。知らなかったんだ、何も。彼女は……洋子さんは、秀也がお腹にいたことを隠したまま、一方的に別れを告げて去ってしまった。偶然再会した時は本当に驚いて……」


「もういいよ、そんな話。聞きたくない」