シンクロニシティー

「ただの我儘や気紛れなんかじゃないんだろ? お前はそんな子じゃない」


「『そんな子』じゃん! 我儘で気紛れで……どうしようもないダメな子じゃん! いい子じゃないじゃん、悪い子じゃん!」


「そうじゃない。お前はいい子だ。父さんたちはお前を信じている。いつだって、お前の味方だ」


「今更何? 家ん中のことなんか見向きもしないで、いつだって知らんぷりで、自分は他の女のとこに通って。今更、父親ぶったこと言わないでよ!」



信号が青に変わり、車を発進させた父は、相変わらず前を向いたままだ。さっきまでの饒舌が嘘のように黙り込んでしまった。


何も言い返せないでしょ? だって全部図星だもんね。



けれどやがて、重々しく口を開く。


「ちゃんと伝えなきゃ伝わらないってことに、今頃になってようやく気付いた。父さんはお前も、母さんのことも愛している。この世で一番大切な、掛け替えのない家族だ」