シンクロニシティー

「レイジ……」

振り返った勢いで名を呼んではみたけど、先が巧く続けられずに口ごもってしまった。


「ん? 何だよ、言えよ。気になんだろ」

冗談めかして促され、意を決して続きを口にした。


「ルミコは……レイジが幸せにしてくれるのを待ってると思う」



レイジは最初、まるで私の言葉がわからないみたいに、ポカンと呆けた顔をした。それからほんの少し首を傾げて考える風な仕草をし、やがて――


「俺なんかが女を幸せに出来る訳ねーじゃん」

と、いつもの困ったような苦笑を見せた。


「どうして?」

「どうしてって……俺なんか、金もねぇし家もねぇし、なんもねぇじゃん?」

「仕事すればいいよ。住むところだったら、ここがあるじゃん。ルミコが今の仕事辞めても、二人が暮らしていければそれでいいでしょ?」