シンクロニシティー

そんな私にレイジが、

「出ねぇの?」

どこか気遣うような柔らかい声音で問う。



「え? ん……出る」

動揺と躊躇いとで答える声は震えていた。


けれど覚悟を決めて、けたたましく鳴りながら振動を続けるそれを、渋々スカートポケットの中から抜き出した。



着信者の名前を確認し、『お母さん』という文字に一先ずホッとする。

いつもなら、『お母さん』でも相当嫌な気持ちになるのだけど、今はただ、神崎じゃなければそれで良かった。


生きていて欲しいとは思うけど、でもだとしたらそれはそれで、今後のことを考えたら恐ろしくて身が縮まる。




「琴子、あなた何やってるの? さっき先生がまたいらして、あなたの荷物届けてくださったのよ。一体何を考えてるの? 何がしたいの? どうしたいのよ」


鼻にかかった声で、母は捲し立てる。

泣いているのかもしれない。