シンクロニシティー

幼稚で世間知らずな私は、こんな時、何を言ったらいいかわからない。



何となく気まずい沈黙が続く。

その息苦しさに耐え切れなくなって、ふっと頭に浮かんだ疑問を口にしてみる。


「ねぇ、もう借金はないんでしょ? どうしてルミコ、未だに仕事続けてんの?」


「さぁ、俺にも良くわかんねぇ。もしかしたら、俺のため……かな?」


「レイジのため?」


「俺は男がムショん中居る間の代用品みてぇなもんだったから、出所したって聞いて、ここを出て行こうとした。まぁ面倒みてくれる女は他にも居たし」

そう言ってレイジはバツが悪そうに苦笑した。


「けどルミコが……。あいつさぁ、『仕事なんかしなくていいから、ずっとここに居てくれ』って泣くんだよ。多分ルミコは、アイツが迎えになんか来ねぇこと、とっくに気付いてた」


「騙されてるってわかってて、借金返してたの? どうして?」


「知らなねぇよ、俺が知る訳ねぇだろ? ルミコがやってることにとやかく言う権利なんか俺にはねぇし。ただ俺は、住むとこと食うもんさえ貰えりゃ、そんでいい訳で」