シンクロニシティー





曲がりくねった道を足早に歩いていた。厭らしい暖色系ネオンの人工的な明るさが、眩し過ぎて目が痛い。



こんなホテル街を徒歩で移動しているのなんか、もちろん私だけ。

通り過ぎて行く車に乗っているのは、きっとカップルばかりだ。彼らの目に、私は一体どんな風に映っているんだろう。


私なんか……見えていないかも知れないな。



人形みたいにぐったり横たわった神崎の姿が頭を離れない。何故だろう、その下のシーツに滲んだ血だけが鮮明な赤で、他は全部モノクロ。



荷物は置いて来てしまった。あんなにも必死に運んでいたのに。



けれど携帯だけは制服スカートのポケットに入っていた。入ったままを脱がされ、入ったままを再び着たから。


ホテル街を抜けた所で一旦立ち止まり、それを取り出した。