シンクロニシティー

「私はただ、彼の家に置いて貰ってるだけです。想像だけでそういうこと言うの、止めてくれませんか?」


私は平然と嘘をつく。

決して動揺なんか見せてはいけない。それぐらいのこと、私にでもわかる。



神崎に気付かれたら終わりだ、何もかも。


シュウとのささやかな幸せも、やっと手に入れた『真実の愛』も、全てこの男に奪われる。



「お前と一緒に暮らしてて何もないなんてことねぇだろ? 榑林は――

女癖の悪さでそらもう、有名だったんだ」


そう言われて、片隅にあった記憶の欠片が、みるみる膨らんで脳裏を埋め尽くした。



いつだったか、シュウの家に突然押し掛けたら、シュウは知らない女の人と一緒だった。


『彼女じゃないよ、大丈夫』

『僕がセックスだけして追い出したから』


やっぱり帰ると言った私に――

シュウはそう言った。