シンクロニシティー

「榑林秀也(クレバヤシシュウヤ)、どっかで聞いたことあると思ったら、俺が前居た学校の生徒じゃねーか。世間はせめぇなぁ」


だから何だって言うんだ。こっちはあんたの職歴なんかに興味ない、全然ない。バカじゃないの?



「お前、やめとけって。いくらなんでも、それは駄目だろ?」


そう言われ、チラと一瞬だけ神崎に視線をやり、けれどすぐに逸らして言葉だけを返した。


「何のこと言ってんのかさっぱりです。もうお願いですから、私のことはほっといてください。学校へはちゃんと行きますから」


「とぼけんなよ。お前、罪を犯してんだろ? 近親者とのセックスは――

神への冒涜だ」


わかってんだろ? と続けて神崎は高らかに嘲笑う。



『神』という単語は、神崎の口から出ると、酷く穢らわしいものに感じた。だったら冒涜したって構わないんじゃないかって。


そんなご都合主義な思考すら浮かぶ。