シンクロニシティー

神崎のところへは行かずに学校を出た。



家に着替えや教科書を取りに行かないと。


結構な荷物になるな。数回に分けて運ぼう。

と言ってもいつまでシュウのところにおいて貰えるのかわからないけど。




自宅の前に、見慣れない車が横付けしてあった。

ペッタンコで黒光りしているそれ。まるでゴキブリみたいだと思った。



不思議に思いつつ、コッソリ家の中へ忍び込む。自分の家なのに、おかしい。


二階の自室へ行き、必要最小限の着替えと教科書類をバッグに詰め込んだ。ズッシリと重いそれを両手で持ち、再び音を立てないように慎重に階段を下りた。



けれど、丁度下り切った時、リビングのドアが開く音と共に、母の話し声が聞こえてきた。