シンクロニシティー

「そんなの、雪枝さんの勝手な想像じゃない。私のことなんか何も知らないくせに、わかったようなこと言わないでよ!」

思わず声を荒げて言い返した。



「呆れた。私の『勝手な想像』? 言っとくけど、私にそういう想像をさせてんのは、あなたの態度や言動なのよ? 他でもないあなた自身なのに、それにも気付かない訳? 何でもかんでも人のせいにして。そういう甘ったれた考え方も大嫌い」


「酷い」


「酷い? ごめんね、でもこれ本心だから」


「たとえ本心だとしても、口にしないでしょ? 普通……」


「わざわざ口にしないで腹の中だけで思っとけって? そうかもね。でも言わずにはいられなかった。我慢できなかったの、ごめんなさい」


早口で捲し立てると、雪枝さんは私と擦れ違ってその場を離れた。振り返れば、雪枝さんは大股早歩きで教室内へ戻り、そうして何事も無かったように、平然と自分の席に着いた。