シンクロニシティー

フォークを刺したソーセージで、目玉焼きの黄身を突き破りながら、

「作りたい」

渋々だけどそう答えた。トロリとした黄色が白の上に溢れた。



「ん。じゃ、よろしくね。ご馳走なんか作らなくていいから」

「ねぇでも、どうやって作るの?」

「『どうやって』って……。買い物行って材料買って、包丁とまな板と鍋とフライパン使って」


シュウは丁寧に教えてくれる。でもそんなこと、私でもわかることばかりだ、ちっとも役に立たない。



「それぐらい私だってわかってるよ」

不満げに言い返せば、シュウは困ったように苦笑する。



「コト、何だってやってみなきゃわかんないよ? 自分でやろうって思わなきゃ、何も出来ない」

真剣な面持ちで、言葉一つ一つをとても大切そうに口にした。