シンクロニシティー



 校門の方から軽やかにこちらに向かって駆けて来るのは、私たちの予想に違わずレイジ。

 傾きかけた陽に照らされ色を失くした眩い髪をフワフワと揺らして。


 その屈託のない無邪気な笑顔は、その場にいた生徒たちの視線を独占していた。



「コト、会いたかった」

 人目もはばからず、勢いよく私にギュウと抱き付いた。
 私はどうすることもできず、直立不動のまま、レイジが離れてくれるのをジッと待つ。


「なっちゃんも久し振り」

 私にしがみ付いたまま、レイジはナッチに向けて軽い挨拶をポンと投げた。

 どうでも良さそうな、ないがしろにしているようなそれは、ナッチの表情を曇らせた。


 レイジの自由奔放な振る舞いは、時にとんでもなく残酷に他人を傷つける。