シュウの存在そのものが―― 今の私の宝物。 初恋の人であり、ファーストキスの相手であり、そして―― 半分血の繋がった、兄。 その全てをひっくるめて、この世で最も愛しい人、シュウ。 ダイスキ。アイシテル。 放課後、今日もナッチと一緒に帰る。 昇降口を出て校門目前で、ナッチが弾かれたように口を開いた。 「今日レイジくん来るって」 「え? どこに?」 「ここに。ていうか、もう来てると思う。今日、6時間授業だから4時過ぎに終わるって言っといたから」