レイジからは相変わらず毎日のように着信があるけれど、あれから一度も出ていない。
 無視というか……今は話したくないし、会いたくない、何となく。

 メールをくれたら返信するのにな、などと思いつつも、自分からメールを送ろうとはしない怠惰な私。



 レイジにとって、私は単なるセフレの一人。
 他にも沢山いるのを私も、そして他のセフレさんたちも知っている。

 例え、レイジが居候しているあの女の部屋で、セフレ同士が偶然鉢合わせしたって、修羅場なんかになることもない。


 レイジは頭は悪いけど、野性の勘みたいなのが妙に鋭くて。
 面倒臭い女かどうかを目ざとく見抜いて、都合のいい女ばかりをちゃっかり選んでいるのだと思う。


 だから、このまま放っておけば、私のことはすぐに忘れてくれると思っていた。