「わたしが、シュウのことを好きにならないように？」
それは正解だったらしく、シュウは小さく二回頷いた。
シュウの瞳を透明な膜が覆い、それは今にも溢れそうだけど溢れないから不思議だ。
「だけどシュウ、私にキスした。だったらどうしてあんなことしたの？ どうして私を拾ったの？ 優しくしたの？ どうして……、どうしてほっといてくれなかったの？」
みっともなく泣きじゃくって、思いのたけ全てをシュウにぶつけた。
私の握った拳を包んでいたシュウの手がすうっと離れ、余計に哀しくなって、私の泣き声は爆発する。
「それともう一つ」
シュウの両手が力強く私の顔を挟み、そうして俯いていた顔を無理矢理シュウの方へ向かされた。
