シンクロニシティー



 行きたくないよ、私だって。

 でも皆には、私が神崎にしょっちゅう呼ばれて、大喜びでいそいそと生徒指導室に通っているように映っているのかもしれない。

 そう思うと恥ずかしいし、悔しいけど、どうしようもない。


「担任には、お母さんからちゃんと毎日連絡あったって聞いてるけど?」

「え?」


 そっか、体裁ばかりを気にするあの母が、連絡しない訳ないか。


「ズルがバレたんだ」

 苦し紛れに言ってみる。

「正当な理由があるなら別にいいけど。でもないなら、行かなくていいと思う」

 雪枝さんは何故だかほんの少し顔の表情を和らげ(でもまだ充分冷たいけど)、そう言った。