「紗和、嫌いな食いもんは?」

「にんじん」

「ガキかよ」


先生がいう面倒とは家事のことらしい。

そして今はキッチンに先生が立って夕飯を作ってくれている。




袖をまくって、腰に手をあて、片手でフライパンを操る先生。

その姿に胸がきゅんってなる。


「にんじんの他には?」

「豚肉」

「はぁ?豚肉ってお前、人生損だぞ?」

「仕方ないじゃん。嫌いなんだもの」



ちょっとふてくされてみる。



「お前、だから肉ねーのか?ちっとは太れ」

「肉はあるよっ。十分太ってる。」

「紗和、こっちきてみ?」



なんだろ?