「つーか、何でそんなに嬉しそうなんだよ…」


幸大はクーニャに抱きつかれたまま席へと移動した。


「何でって、嬉しいからだよ?」

「何で嬉しいんだ?」

「幸大君と学校で話すのも久し振りだし…幸大君とスキンシップできるってだけで嬉しいからだよ〜。」


「…。

そうか。」

「あれぇ?

幸大君、顔が赤いよ?

もしかして照れた?」


「さっさと離れろ。

座るんだから!!」

「じゃあ椅子を半分ずつ使うのと、幸大君の膝に私が座るの、どっちが良いのかなぁ?」


「どっちも却下!」

「じゃあ私が座る場所は?」

「床にでも座ればいいだろ。」


「椅子に座る幸大君と床に座る私が向き合ってさらに近づくと…

幸大君の両膝の間辺りで座ると…

卑猥なことをやってるみたいじゃない?」


「隣の奴の椅子を使え!」


幸大が隣の席の椅子を持ってきた。


「幸大〜。

宿題〜。」


行正が言う。

「宿題は自力でやれよ!!」


幸大が言う。


ガタンッ!

大きな音を立てて立ち上がる女子…姫野。


幸大たちの方を見もせずに廊下に出る。


バンッ!

教室のドアが勢いよくしまるが…すぐに開く。


「あ…あの…

ホームルームなのに…」

桂木先生が涙目で教室に入ってきた。