しばらく経つがクーニャは動かない。


「やはり、血だけが目的ですね?」


「…。

できないよ…」

「なぜですか?」


「だって…

幸大君以外には噛みつきたくないもん!」

「…。」

「だって…


だって、好きじゃない人の血なんかいらないもん!」


「え?」

幸大が驚く。

「幸大君が好きだから…

だから…他の人の血を吸うくらいなら死んだ方が良いもん!!」



「…。

クーニャさんは幸大さんのことが好きなんですね?」


「…うん。


幸大君が好きだよ。」



「な!?

〜〜〜〜〜っ…」

顔を赤くして驚く幸大。

「幸大さんはシャイでチキンな以外には純情な性格ですからストレートに言われたらイチコロですよ…」


咲子が言う。

「幸大君…」


「仕方ありません。


許します。」


「え?」

「ただし、以前までの関係。

つまりは血を吸うだけの関係までです。


それ以上の関係になるには私との血みどろの戦いを繰り広げることになりますよ?」

「え?」

「私とクーニャさんは恋のライバルなので。」


「いや…その…

勝手に話が…」


幸大が言う。


「それよりもクーニャさん、幸大さんの血をさっさと吸ってください。


そんなにしおらしいクーニャさんを見てると調子が狂いますから。」