「ただいま。」

幸大が言う。


「おかえりなさい…」

玄関で出迎えた咲子の顔が険しくなる。

「あの…」

バンッ!

クーニャが口を開くと同時に閉められたドアにクーニャを押し付ける咲子。


「何で…来たんですか?」

「その…」

「幸大さんも、なぜ、家に招いてるんですか?」


「いや…」


「咲子ちゃん…その…話を…」


「その銀髪を真っ赤に染めてからなら考えますけど?」

ギンッ!


蒼月の眼。


「ったく…」

ぎゅっ。

幸大が咲子の腕を抑えるように後ろから抱き締めた。


「咲子…その…少しくらい話を聞いてやっても良いだろ?」


「…。

幸大さんも悪知恵というか何と言うか…ズルいですね。


…。

話を聞くだけですよ。」

咲子の眼が戻り、クーニャを中に案内した。





数分後


「つまり…幸大さんと以前の関係に戻りたいので私にも許してほしい…と?」

「うん…」

「何か勘違いをしてませんか?」

「え?」

「もともと、私たちは誰も幸大さんとは恋仲ではありません。


つまり元の関係に戻りたいということは幸大さんの血だけが目的で傍にいるということです。


違いますか?」


「それは…」