「吸血鬼です。」

幸大の一言。

それだけで三人には十分だった。


「幸大さんの血を吸った人たちですね?」

咲子が言う。

「あなたも吸血鬼で幸大に付きまとっているなら…」


「もう吸ったんだよねぇ?」

姫野とクーニャが幸大から離れて咲子を見据えた。


「吸ったどころか…

幸大さんと同棲してますよ?」


咲子は勝ち誇った顔で二人を見た。


「ふぅん…

良い度胸じゃない…」

姫野が言う。

「幸大君…ちゃぁんと後でくわしーくお話を聞きたいなぁ…」

クーニャが言う。



「気に入らないわ…」


ギンッ!

姫野が爪を鋭く構えた。

「私も榊さんに加勢しよーかなぁ…」

ギンッ!

クーニャも爪を構えた。


「二人がかりですか…

まぁ…負けませんけど。」

ギンッ!

鋭い爪、青い眼。


「蒼月の眼!?」

姫野が驚く。

「これは…まずいかも…」


クーニャが言う。

「かかってこないんですか?」


「上等よ!!」

ギンッ!


姫野の赤い眼。


「私も本気で行くよぉ?」


ギンッ!


クーニャの黄色い眼。