「俺だって、そうだ。」

幸大が言う。

「私は皆と違うから…

お前のことは好きなのに…たまに、思ってるのと違うことを言ったり…」

「ツンデレだな。」

幸大が言う。

「茶化すな!


とにかく…

私がこんな態度をとってるから…幸大に嫌われるんじゃないかって…


結婚だって…

私には…よくわからない…」

マリアが言う。

「俺だってわかんねぇ。

そもそも日本は一夫多妻じゃないからな…

1人としか結婚できないってことだ。

でも…俺は全員に指輪を渡したし、誰か1人を選ぶなんてしない。

結婚なんてしないかも知れない。

お前らの中から1人を選ぶくらいなら…な。」

幸大が言う。

「でも…その…」


『余には、マリアも幸大も下らぬ論議をしてる様にしか聞こえぬが。』

ヴァンが言う。

「下らないって何だよ!」

マリアが言う。

『余は…結婚など…生まれた時からできないと言われていたようなモノだ。

わかるか?

余は1人とて正妻を…正室を持たなかった。


私が側室としたのは結婚などと言う目出度いものではなく

婚礼

という儀式だけだ。

愛だの何だのという感情もなく…

ただ…余の後継者を産む予定のモノを皆に見せる儀式に過ぎん。


側室に…愛した者は1人もおらぬ。』