夜になった。

VAPの人々が現場の処理に来てしばらくして解散となった。

桂木祖父は最後まで幸大に悪態をついていたがなんとか帰った。


「夜ね…」

姫野が言う。

「そーいえば、幸大君、何か謝ることがあるって言ってなかった?」

クーニャが言う。


「ああ…。」

「何を謝るんですか?」

咲子が言う。


「実は…

クリスマスプレゼントを用意してない。」

幸大が言う。

「えぇっ!?」
「何だと!?」


驚いたのはクーニャとマリアだけ。


「それだけ?」

優衣が言う。

「でも、その…彼女のいるクリスマスは初めてだし。

まぁ、こんなにたくさんの彼女がいる奴もあまりいないけど…


だから、何かプレゼントをしたかったし…

それに、女性ってのはそういうのが結構楽しみだって行正が言ってたからな。」

幸大が言う。

「幸大さん。

プレゼントは気持ちの問題で、幸大さんがそんなに私たちを思っているならプレゼントはなくても…」

沙羅が言う。

「そうだぞ!

それに、明日、買えばいい。」

マリアが言う。


「そう言えば、私も明日暇なのよね…」

姫野が言う。

「私もせっかく彼氏がいるのにクリスマス・イヴにデートに誘ってくれないんだよねぇ…」

クーニャが言う。


「あ、いや…本当は昨日誘おうと思ったけど…ゴタゴタしたから…」

「言い訳よりも言うことがありますよね?」

咲子が言う。


「あ、ああ。

あの…

明日、俺とデートしませんか?」

幸大が言う。

―よろこんで―


女性たちは声を揃えて答えた。