二人は上から順番に探していった。


3階


「幸大さん…この階から人の声がします。」

「よくきこえるな…」

「吸血鬼ですから。」




「うわぁーん!」

「火の壁ですね。」

目の前の火を見た咲子が言う。

「飛び込むのに勇気が要りますが…行ってきます。」


「待てって…

何でもかんでも突っ込めば良いってもんじゃないだろ?」

「こんな時に猥談ですか?」

「うるせー。


ほら、任せろ。」

幸大が火の壁に立つ。


バシャァッ!


幸大の首筋から血が噴き出す。


「え…?」

「よし…道はできたな。」

「…。」

「ほら、行くぞ。」



「大丈夫か!!」

幸大が言う。

そこには6人の人。

子供、老人、店員。

「大丈夫です。

こっちから逃げましょう…」

咲子が言う。

「お爺さん、背負いますので背中に。」

幸大が背負う。


「店員さん…こっから一番近い出口は?」

咲子が言う。


「どこも大体同じかと…」

女性店員が言う。

「じゃあ窓から…」

「窓は不用意に開けるとバックドラフトを起こすからやめとけ。


どこか出口は…」

「あ…

非常階段へ…

外に出れます。」

店員が言う。