「黄金か…

カッコいいな。」


『実際は白に近い。

そなたの記憶で言うならば…

新五百円玉の新品の状態。

それよりも少し深みのある色だな。』


「なんか安っぽく言ってるけど五百円は大金だぞ?」


『まぁ、その他にも何らかの能力があるが…

王の力を調べようなどという者は居らぬゆえ…

余にもわからぬ。』

「そうか…


あ、寿命とかは?」

『普通の吸血鬼と大して変わらぬ。』

「でも…あんたは血の状態で生きてる。」

『余の寿命はまだまだ残っている。

余はまだ200年も生きてはいないからな。』

「あっそ…

まだ、か。」

『余がこの状態になったのもそなたと同じ能力を持つ男が余の願いを聞き届けてくれた。』

「願い?」

『うむ…私が肉体を持っていたのは私が100歳くらいの時まで…


王とは退屈でな…

無闇には外に出れなかった。


楽しみと言えば…外から来た者の話を聞くぐらいだ。


特に淑女の話は面白い。


恋愛ごととなると心の機微まで語ってくれてな…



そして、ある時その男が現れた。

余はそのモノがそなたと同じく血を操る能力を持つと聞いた。


吸血鬼の前で話すと血を吸われるぞ…などと言うと、

女性ならば喜んで


などと抜かしたな…』