『それはそなたの力ゆえ…

肉体的融合は血液をも同化させる。


つまり、余の血液もそなたの能力の支配下にある。』

「つまり、俺はあんたを体内から追い出すことも?」

『うむ…

できる。

しかし…あくまで私の精神だ。


吸血鬼の肉体…王の力。

それはもう取り除けぬ。』

「マジか!?」

『肉体は既に変化した。

そなたは血液を操れども肉体は操れない。

違うか?』

「ああ。

だが…血液を操れたら…あんたの精神は放り出せるって考えなかったのか?

あの男は…」

『おそらく、な。

余がそなたに入れば全てを余の支配下における。

そう思ったのだろう…


王とはそこまで万全ではない。』

「王と普通の吸血鬼の違いって何なんだ?」

『王は三段階の能力区分がある。

人間状態。

牙も爪も瞳も人間と同じだ。


翼もない。



次に吸血鬼。

そなたの言う普通の吸血鬼の状態だ。


そして、王。


吸血鬼の能力を遥かに上回る。

力もスピードも…』

「あんたを追い出してもそれらが残るのか?」

『うむ。

瞳の色だが…

人間状態は今と変わらない。


吸血鬼の状態では『銀』の眼。


そして、王は『黄金』の眼を持つ。』