「ため息は幸せが逃げるわよ?」

姫野が言う。

「深呼吸だ。

それに…少しくらい幸せを吐き出さないとパンクする。」

幸大が言う。

「あら…言うじゃない。」

姫野が言う。

「それよりも…沙羅さんのことはどうするんですか?」

咲子が言う。

「手放す気はないんだよね?」

クーニャが言う。

「ああ。

だが…沙羅が佐藤に会って断るって言うなら何も問題はない。」

幸大が言う。

「でも、沙羅ちゃんが強引に…」

「そこからは…まぁ…俺にも関係するからな。

多少の手出しはするが…問題はない。

とにかく…沙羅は誘いを断れ。」

「はい…。

頑張ります。」

「頑張るだけじゃなくしっかりと断れよ?」

「は、はい!!」

沙羅が力強く頷く。


「さて…もう遅いんだし帰るぞ。

姫野とクーニャも送らなきゃなんねぇし。」

幸大が言う。

「それよりもぉ〜。

幸大君が姫野さんにしたあの熱くて激しいキス…してほしいにゃ〜。」

クーニャが幸大に顔を近づける。

「今度な。」

「え〜?

何で〜?」

クーニャが言う。

「お前にしたら…残りの4人にもしなくちゃいけないしそうしたら姫野が駄々をこねてもう一回してそうしたらまたクーニャがせがんで、そうしたら平等に残りの4人にも…

と、一生終わらない気がする。」

幸大が言う。

「む〜。」

「その代わり…これからはもっと良いことをたくさんしてやるから。」

クーニャの頭を撫でる。

「気持ちいいこともいっぱい…してほしいなぁ。」

クーニャが言う。

「クーニャさん…調子に乗ると帰宅したあとに幸大さんが生命の危機に陥りますよ?」

咲子が言う。

「え!?

俺がかよ!?」


こうして夜が更けていった。