「私たちのために…踏み込まなかったって言うの…」
驚愕と悲しみの眼で幸大を見つめる。
「それはわからない。
本当はお前らに踏み込む勇気がなかっただけかも知れない…
でも、クーニャのバアちゃんにあって色々と言われたときから今言ったことはずっと考えていた。
お前らを縛り付けるんじゃないか…って。」
「…。
ごめんなさい…
私は自分のことばっかりで…幸大が何を考えてるかなんて…
なのに、酷いこと言ったりして…」
「良いだろ…それで。
生き物は結局、自分のことばかり考えるんだよ。
自分の幸せや欲求のことばかり。」
「でも、幸大は私たちのことを…」
「違う。
お前らが悲しむなんて嫌だし…
お前らが笑ったり幸せそうなのが俺の幸せなんだ。
そして、姫野は俺がお前らの心の奥底に踏み込むのが俺にとっての幸せだと考えた。
それだけだ。
互いに…互いのことを思っただけ…だろ?」
「幸大…」
「姫野…お前の紅い瞳を見せてほしい。」
幸大が優しく微笑む。
「え?
良いけど…」
キンッ…
いつものような激しく色が変わるのではなく…初めて吸血鬼の姫野に会ったかのような静かな瞳の変化。
幸大の目の前の吸血鬼は出会った頃よりも美しく愛しい鮮血の眼の吸血鬼だった。
驚愕と悲しみの眼で幸大を見つめる。
「それはわからない。
本当はお前らに踏み込む勇気がなかっただけかも知れない…
でも、クーニャのバアちゃんにあって色々と言われたときから今言ったことはずっと考えていた。
お前らを縛り付けるんじゃないか…って。」
「…。
ごめんなさい…
私は自分のことばっかりで…幸大が何を考えてるかなんて…
なのに、酷いこと言ったりして…」
「良いだろ…それで。
生き物は結局、自分のことばかり考えるんだよ。
自分の幸せや欲求のことばかり。」
「でも、幸大は私たちのことを…」
「違う。
お前らが悲しむなんて嫌だし…
お前らが笑ったり幸せそうなのが俺の幸せなんだ。
そして、姫野は俺がお前らの心の奥底に踏み込むのが俺にとっての幸せだと考えた。
それだけだ。
互いに…互いのことを思っただけ…だろ?」
「幸大…」
「姫野…お前の紅い瞳を見せてほしい。」
幸大が優しく微笑む。
「え?
良いけど…」
キンッ…
いつものような激しく色が変わるのではなく…初めて吸血鬼の姫野に会ったかのような静かな瞳の変化。
幸大の目の前の吸血鬼は出会った頃よりも美しく愛しい鮮血の眼の吸血鬼だった。

