「幸大さん…私を心配して…

なのに…私は…」


幸大が立ち上がり沙羅のもとへ移動した。


「え?」

幸大は座り、沙羅を抱き上げあぐらをした自分の足の上にのせて抱きしめる。

「…。」


無言で頭を撫でる。

「発言を禁止しましたが…行動を制限しなかった私のミスですね。」

咲子が言う。

「幸大…

あんた、甘いにしてもほどがあるわよ?

私たちの気持ちも知らないで勝手に…」


「姫野さん…無駄ですよ。」

「たぶん、幸大は沙羅が泣きそうだったから慰めてるんだ。」

マリアが言う。

「…。」

幸大が首を横に振る。

「今だけ発言を許すから、言いなさいよ。」

姫野が言う。

「お前らがなんだか辛そうだったからな…

沙羅が泣いたらきっとお前らはさらに辛くなる。

そんな気がした。


悪いな…不甲斐なくて。」

幸大が言う。

「…。

そうね…幸大…悪かったわ。」

姫野が言う。

「…。」

幸大は無言で手を伸ばし、数回姫野の頭を撫でた。


「じゃあ、咲子ちゃん、その調べた内容を教えて。」

クーニャが言う。



「はい。

彼は幸大さんのように何人もの女子と付き合ってます。

幸大さんよりも数は多いです。


二桁。」

咲子が言う。