「もう…これ以上幸大さんを裏切りたくないんです。」


「じれったいなぁ…

だったら!」

バンッ!

沙羅を壁際に追い立て沙羅の横の壁に手を置いて逃げ道をなくす。

「(こういう押しに弱い奴は強引で無理矢理にキスでもすれば簡単だっての。)」

「な…何を…」

「何って…君がその彼氏を忘れるようにするのさ。

僕のキスで全て忘れさせてあげるよ。


どうせ女を何人も作る奴だ。

忘れた方がいいよ。」

沙羅に佐藤の顔が近づく。

「(怖い…嫌だ…

幸大さんとはまったく違う…)


嫌ぁ!」

ドンッ!

沙羅が佐藤を押っつける。


「うわっ!?」

「ご、ごめんなさい…」

沙羅が言う。

その時予鈴がなる。

「もう…休み時間が終わりか。

いきなりキスしようとしてごめんね?


ただ、どうしても君との思い出が欲しくて…


今度の日曜!

駅前に13時…

僕は待っているからね?

だから…必ず来てくださいね!!」


そう言って佐藤は立ち去った。