某日

学校


「あの…お話って?」

沙羅が言う。

「今度、僕とデートしませんか?」

佐藤が言う。

「え?」

「来週の日曜は暇ですか?」

「あの…」

「あ、都合が悪いですか?」

「そうじゃなくて…

私は、その…あなたとデートすることができません。」


「どうして?」

「私はあなたとデートするような関係じゃないです。

…それに、幸大さんがいますから。」

沙羅が言う。

「でも…その幸大って人から見捨てられたんじゃなかったの?」

「そんなこと…」

「最近は学校では会ってないみたいだし?

前は休み時間ごとに会いに行ってたって聞いたよ?」

「それでも…」

「それに、この前の後夜祭では踊ってくれたよね?」

「それはどうしてもって言うから…」


「あーあ…

沙羅さんはそうやって気を持たせて俺の心を弄んだんだ?」

「ち、違います!!」

「だったら…デートしませんか?

このデートで沙羅さんに好きになってもらいますから!

それで、ダメでも…このデートで最後にしますから!!

お願いします!」

佐藤が頭を下げる。

「本当に…ダメなんです!!」


「そう言わずに!!

(ちっ!

この前はこんだけ頭を下げたら誘いを受けたくせに…)」