秋も深まり、冬の気配はすぐそこに。

町中でも徐々にクリスマスという一大行事の準備を始めているとか…



「寒いな…」

幸大は布団の中で言う。

今日は土曜日。

学校は休み。


「まだ12月じゃないのに…」

幸大が布団に潜りながら言う。


「…。

幸大さん…起きてください。」

咲子の声が幸大を呼び覚ます。

「寒い。」

「今朝の最低はマイナスでしたから。」

「学校は休みだし寝かせてくれ…」

「ダメです。」

「なぜ?」

「買い物に行くからです。」

「いってらっしゃい。」


「マリアさんと沙羅さんのVAPからの助成金は幸大さんの口座に振り込まれてます。」

「財布にカード入ってる。

つーか、通帳は咲子に預けてるだろ…」

「幸大君…起きてくれないの?」

優衣が言う。

「ったく、寝坊助だな!!」

マリアが言う。

「もっと温かくなってから出掛けようぜ?」


「ふぅ…暖かければ文句はないんですね?」

咲子が言う。

「ああ…」

「なら、簡単です。」


ばっ!!


布団を無理矢理咲子が剥がす。


「寒っ!?」


ぎゅっ。

咲子が抱きつく。

「な…何の真似だ?」

「こうすれば動きながら暖かくなれますよ?」


「…はぁ。

わかったよ。

着替えるから離れろ。」

「もう少し、こうしていたかったのですが…」

咲子が離れる。

「朝食、できてるよ?」

優衣が言う。