「幸大君は嫌じゃない?」

「え?」

「私はその…嫉妬ばかりするし、我が儘だし…幸大君を困らせてるし…」

「そう思うならやらないでください。」

「幸大君が原因だもん!!」

「そんなに嫉妬ばかりするってことはそれだけ俺が好きだってことですよね?」

「…うん。」

「それに…優衣の嫉妬深さよりも俺の独占欲の方が強いですよ。」

「独占欲?」

「はい。

だから…優衣。」

「は…はい。」

「俺以外の人に嫉妬も焼き餅もするな。」

「え?」

「それから俺以外の人の前で泣くな。」

「泣くなって言っても…」

「その代わり…俺の前で泣いたら優しく抱き締めるし、涙も拭くし、慰めるから。」

「…。

それだけじゃ足りないから…私が泣いたらキスもしてくれる?」

「泣かなくても…キスする。

いや、キスしたい。

だから…したくなったらする。」


「今は…したくない?」

「優衣はあくまでも教師なんだからこんな人目のあるところで簡単にキスはしたらダメだろ?」


「でも…」

「だから…もう少し、待って。」


「え?」

ヒュルルルルル…

ドパァンッ!

花火が打ち上がる。


「わぁ…」

「キレイ…」

生徒たちが花火を見上げた。

「優衣を最後にしたのは…後夜祭の残り30分から花火が打ち上がる。

今なら皆が花火を見てるし…

優衣…キスしたい。」

「うん…私も。」


優衣と幸大は花火とキャンプファイアを背景にキスをする。